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雷電はMGS2という“物語”を語るためのサブキャラ
『メタルギアソリッド2』は『メタルギアソリッド』に比べて評判はよくない。
その原因の一つとして「ソリッド・スネークの出番が少ない」というのがある。
『メタルギアソリッド2』ではタンカー編、プラント編と2つにストーリーがわかれいるのだが、
タンカー編、プラント編とでは操作できるキャラクターが違う。
タンカー編は皆さんご存知のメタルギアシリーズ主人公のソリッド・スネーク。
そしてプラント編では今作が初登場の雷電。
もしタンカー編、プラント編のボリュームが同じくらい、もしくはタンカー編の方が長かったら、
『メタルギアソリッド2』の評判はもしかしたら『メタルギアソリッド』よりも良かったのかもしれない。
『メタルギアソリッド』がヒットした要因は、
リアルな世界観・ストーリー・グラフィック・個性的なキャラクター達、
そして「隠れながら進む」という新たなゲーム性の評価が良かったからだ。
しかしそれ以外にもヒットした要因がある。
それは主人公ソリッド・スネークがイイというのが理由だ。
男性・女性共に憧れの存在であるソリッド・スネーク。
見た目も勿論カッコイイが、声・台詞・行動もカッコイイ。そしてたまに笑わせてくれるところもイイ。
そう、皆はソリッド・スネークが好きなのだ。あの渋い親父が(笑)。
そんな人気のソリッド・スネークの出番が少なかったら…?
そりゃあ「ソリッド・スネークの出番が少ない」と不満が言いたくなるのも当然かもしれない。
もちろん雷電もカッコイイ男だ。
美男子だし、メタルギアシリーズの登場キャラの中でも年齢は若い方。
だが男性から見てカッコイイ存在かと言えば、正直微妙だ(男性にとってカッコイイ存在は渋い男だ)。
ではなぜメイン操作キャラが「雷電」なのか?
それにはちゃんとした理由がある。
1つはソリッド・スネークと物語等を客観的に見るためである。
これまでのメタルギアシリーズの物語は全てソリッド・スネークの立場から見てきた。
いわゆる主観というやつだ。
雷電はその主観とは違い、客観で物語を見ている。
そして物語以外にもソリッド・スネークや“メタルギア”も客観的に見る事が出来る。
それにより今まで見えなかったものが見えてくることもある。
「物語等を客観的に見れて、なおかつ主観的に物を解決していける喜びを味わう」ことが出来るキャラ、
それが雷電なのだ。
もう1つはソリッド・スネークで任務をするには無理があるという点。
『メタルギアソリッド』でソリッド・スネークはナノマシンの通信で任務中、
キャンベル大佐から様々なことを教えられた。
それはメタルギア等の知識や潜入方法、任務時の行動だったりするのだが、
それを『メタルギアソリッド2』でソリッド・スネークがまた一から教えてもらっているのは不自然。
かと言って何も教えないのでは、『メタルギアソリッド2』から始める新規ユーザーにとって不親切だ。
それを解決するために方法として使われたのが雷電という人物。
雷電はプラントの潜入が初の任務となる。
VR訓練は受けたことがあるとはいえ、実際の任務はこれまで一切ない。
だから新規ユーザーと雷電は何も知識が無いところから始め、大佐から色々と教えてもらうのだ。
あと最後にもう1つある…それは…
『メタルギアソリッド』が親父ばっかりだったから(笑)。
これはこれで別にいいような気もするのだが…(まぁ、確かにその通りなんだけど)。
『メタルギアソリッド』をプレイしているとわかると思うが、
雷電のような若いキャラクターは『メタルギアソリッド』には全く登場しない。
まぁ、それをどうやら小島監督は気にしていたようで、
それをきっかけに『メタルギアソリッド2』に雷電というキャラが登場したようだ。
私個人としては別に雷電は嫌いでないので、登場しなくても登場してもどちらでも構わないんですが…。
そりゃあ、主人公はソリッド・スネークなのが一番イイに決まってますよ。
結果的に言えば雷電を起用した事はスネークファンにとっては“残念”だったかもしれない。
だが小島監督があえて雷電というメイン操作キャラとして起用した理由は覚えておいて欲しいと思う。
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