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1987年。
「メタルギア」は当初、戦争ゲームとして企画されていた。
ちなみにこの企画を出したのは、コナミ。
そしてこの企画を受け取ったのが「メタルギア」の生みの親、小島秀夫氏である。
しかし当時、戦争ゲームを作るのは非常に難しかった。
ちなみに「メタルギア」はMSX2というパソコンで発売されたのだが、
このMSX2の性能は決して高いとは言えなかった。当然戦争ゲームなんて表現しきれない。
戦争ゲームといえば、
たくさんの兵士が登場し、銃などで撃ち合うイメージがある。
先程も書いたようにMSX2の性能から考えると、これを表現するのは不可能である。
そこで小島秀夫氏が思いついた発想というのが、
「敵と戦う」のでなく「敵から逃げる」というものだった。
今でこそ「メタルギア」はこの「敵から逃げる」をコンセプトに制作されているので当たり前になっているが、
当時では考えられなかった事だ。
なかなかこの企画が通らなかったそうだが、最終的に認められ、MSX2版『メタルギア』は発売された。
今では世界中に多くのファンが存在する人気シリーズ作品となっている。
ただ、どんなに続編を制作されても、
「敵から逃げる」というコンセプトが変わることなかった。
そして「反戦反核」というサブテーマを扱いながらも、戦争そのものを描く事は一度もなかった。
それは、ゲーム機の性能による問題なのか、ただ単に描かなかったのかはわからない。
だが小島秀夫氏は戦争を“戦後”“冷戦”という形で表現し、戦争を違う視点から見事描いた。
2007年。
「メタルギア」が誕生してからちょうど20年。
『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・パトリオット』が発売される年である。
小島秀夫氏の言葉を信じるならば、『メタルギア』から続いたストーリーはこの作品で完結することになる。
そして小島秀夫氏はこの作品で初めて、戦争そのものを描く事を決めたようである。
「メタルギア」誕生から20年。
小島秀夫氏はついに戦争ゲームを作るのである。
ただ予告トレイラーを見ても分かるとおり、
これまで発売されてきた戦争ゲームのような作品ではないことは明らかである。
ただドンパチやって気分爽快となるゲームではない。
いかに戦争が悲惨なのか、無意味なものなのかを伝えるゲームになるであろうと思う。
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